本日、大幸薬品(4574)の株価が急落したことについて解説します。
一体何が起きたのでしょうか。
大幸薬品(4574)の株価が急落
本日、大幸薬品(4574)の株価が急落しました。
ヤフーファイナンスより
なんと8%超も下落です。
原因はこちら
大幸薬品-反落 クレベリンに関する措置命令の差し止め認められず
同社は13日、空間除菌商品「クレベリン」に関する消費者庁による景品表示法に基づく措置命令に対する仮の差止めの申立てにおいて、同日、東京高等裁判所が東京地方裁判所の決定を覆し、同社の仮の差し止めの申立てを認めない決定を行ったと発表した。
同件に関する連結業績への影響は現時点では不明だが、今後重要な影響が見込まれる場合には速やかに開示するとしている。
<出典:トレーダーズウェブ>
どういうことかと言いますと、以前大幸薬品は消費者庁から景品表示法に基づく措置命令を受けました。
その際にスプレーやら、スティックやらはダメと言われましたが、主力の置き型は対象外だったのです。
これには、大幸薬品幹部や株主も勝ったような勢い。逆にオキサイダーの社長あたりはなんでやねん!と思ったことでしょう。
以下喜びのIR
1.「クレベリン置き型」に関する勝訴について
当社は、2021 年 11 月 26 日、二酸化塩素による空間除菌を目的とするクレベリン商品の
表示が不当表示に当たるとして、消費者庁から、景品表示法に基づく措置命令案についての
弁明の機会を付与されました。これに対して、当社は、同年 12 月 14 日、措置命令の差止訴
訟を提起し、併せて仮の差止めの申立てを行いました。
その結果、東京地方裁判所は、2022 年1月 12 日、当社の主力商品である「クレベリン置
き型」(60g 及び 150g)の2商品について、当社から消費者庁に提出した試験結果等が二酸化
塩素による除菌・ウイルス除去効果の裏付けとなる合理的根拠に当たることを認め、措置命
令の仮の差止めの決定をしました。
しかしながら、裁判所は、クレベリン置き型以外の4商品(スティック ペンタイプ、ス
ティック フックタイプ、スプレー、ミニスプレー)の空間除菌効果に関する表示について
は、当社の主張を退けております。
これに対し、当社は、同月 13 日、東京高等裁判所に対して、即時抗告を申し立て、本日
に至っております<出典:大幸薬品IR>
これに勢いづいた大幸薬品は、クレベリンのサイトにおいて「クレベリン置き型の勝訴について」とすぐ目につくところにリンクを貼ってましたが、残念ながら今はありません。このリンクによって、置き型だけは効果があると世間に認識してもらおうとしましたが、何度も言いますが今はありませんw
そこに来たのが今回のニュースです。
以下意気消沈IR
仮の差止めの申立てに関する東京高等裁判所の判断について
当社の空間除菌商品「クレベリン」に関する消費者庁による景品表示法に基づく措置命令
に対する仮の差止めの申立てにおいて、誠に遺憾ながら、本日、東京高等裁判所は、東京地
方裁判所の決定を覆し、当社の仮の差止めの申立てを認めない決定を行ったことをご報告
いたします。
なお、本決定への今後の対応につきましては、決定の内容を精査して検討いたします。
クレベリンをご愛顧いただいているお客様、お取引様、そして株主様をはじめとする関係
者の皆様に、多大なご心配とご迷惑をおかけしておりますことを、改めて深くお詫び申し上
げます。
なお、本件に関する当社連結業績への影響は現時点では不明ですが、今後重要な影響が見
込まれる場合には速やかに開示いたします。
以上<出典:大幸薬品IR>
前回は即時抗告!と勢いづいていましたが、今はチーン感が漂います。
オキサイダーの社長もニンマリしているのではないでしょうか。
世間の反応

大幸薬品のクレベリンの訴えは退けられたのね。 まー、大幸薬品もこの件引っ張ると、 「インチキなものを売ってる会社」 という認識になるから引き際を考えたほうがいいかもね。 他の商品もインチキなのでは?と疑念を持たれちゃうので。

大幸薬品は今や正露丸の会社と言うよりクレベリンの会社になってるからなあ。しかしなぜここまで効果に疑義のある商品をゴリ押すのかわからんなー

いっぺん家族が買ってきたけど、仮に効果があったとしてもにおいがもう耐え難かった。特に食事する部屋や寝室に置くのほんと無理

今まで会社のあちこちに置かれていたのですが、つい先日全撤去されました(笑) まあ気の持ちようみたいなことなんですかね、クレベリンめっちゃ高いのにw

大幸薬品、クレベリン代返金のご準備でお忙しいことでしょう。 ラッパを吹いて返金準備の応援だー
大幸薬品が目つけられた理由
大幸薬品に関する記事は他にも書いてあるので、そちらも参考に。
高裁やら消費者庁からなぜこんな厳しいことをされるんでしょうか。
理由は、大幸薬品の主張するエビデンスがクレベリンとはまったくかけ離れた条件だからと思われます。
例えば去年の5月にこんなIRが出ました。
特許長期濃度保持型 二酸化塩素ガス溶存液による
新型コロナウイルス(変異株含む)に対する不活化試験の結果について
簡単に言えば、二酸化塩素ガス溶存液で、新型コロナウイルスが99.99%以上不活化したというエビデンスです。
内容は154ppmという人間の致死量以上の濃度で試験管レベルで実験したら新コロほとんど消えたわー。って内容ですw
もいっちょいっときましょう。
二酸化塩素ガス溶存液、有機物存在下で次亜塩素酸ナトリウム溶液
よりも 200 倍以上強力に新型コロナウイルスを不活性化
内容は24ppmでよく似た溶液より、新コロ200倍も強烈や!っていう内容ですw
ちなみにクレベリンは0.01ppmと言われています。
だからこのエビデンスでわかることは二酸化塩素が新型コロナに効くというだけです。
でも消費者が知りたいのはクレベリンが新型コロナに効果があるかです。
完全に論点をずらしています。
おそらくクレベリンを家庭で使ってる方は、家族が一番集まるリビングを想定してるのではないでしょうか。
でもリビングって何畳くらい?うちは部屋いっこリビングとくっつけたからくっそ広いけど、世間では16畳くらい?
インフルとかのウイルスがなぜ冬が多いのかというと湿度が低いからなんですね。湿度が低いとウイルスはなかなか死にません。なので世間の人はクレベリンを一番冬に使いたいと考えるでしょう。
ということは
0.01ppmの濃度で、16畳ほどの広さで、湿度30%の条件で新型コロナウイルスに効果があるかどうかのエビデンスを出せばすべて解決します。
じゃあ、なぜ大幸薬品はこの条件のエビデンスを出さないのか、あるいは出そうとしないのか。
それはみなさんが自分で考えてみてください。
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